直線距離では30kmたらずなのですが、大回りして岩沼で乗り換え、槻木で阿武隈急行に乗りそびれ(改札出ちゃった)、着いたのは10時前でした。

改札から出て、目的地へ向かおうと歩き出そうとしたところ……印刷した地図を持ってきてませんでした。
印刷頼みでお店の名前も電話番号もメモってませんでしたが、市役所近辺にあったように記憶していたので(また)見切り発車で歩き出すことにしました。
そういった行き当たりばったりの道中、建物の影に見え隠れするのは……

ロケット……?
後で聞いたところによると、宇宙開発事業団のロケット試験場かなにかが角田市にあった(ある)らしく、ふるさと創生の1億円を使ってH2ロケットの実物大模型(オブジェ?)を作ったのだとか。1億円では足りずに余所からも資金調達したとのこと。
まぁ、そんなロケットのオブジェからそう遠くないところに、目的の自転車屋さんが見つかりました。

さて実際目にした自転車は、深みと光沢のある重めの赤で、まずカラーとしてはイメージ通りでした。フレームパイプの接合(溶接?)部分も肉厚な盛り上がりがあって無骨で素敵です。
店頭でフェンダーとライト、チェーンロックを選びそれも取り付けて貰います。チェーンでだけではなく車体に固定できるタイプのホイールロックも欲しかったのですが、フレームに合うものがなかったので今回は断念です。ボトルホルダーと共に、そのうち合うのを見つけて自分でつけることにしましょう。
本体に付属パーツと防犯登録等をつけて、ざっとお値段は5万円弱。クロスバイクとしてはかなりお安めの値段です。入門用ですからそんなものですよね。
お店のご主人にお礼を言って、さてこれから阿武隈山地の向こう側にある相馬まで帰らないと行けません。
もちろん車に積んでではなく、自転車をこいで……です。
とりうるルートは二つ
その1:南下

南下して国道113号が相馬で6号にぶつかるまで走る最短距離コース。
当然阿武隈山地を横断しますので、標高150m以上の地点まで自転車で上らないと行けません、登り切ってしまえば後は下りなので楽なはず。
想定道のりは30km。
その2:北上

阿武隈山地西側を北上し阿武隈川まで出、山地が切れたところで東側に回り再度南下して相馬に至るコース。こちらはとにかくアップダウンが格段に少なくなりますが、なにせ山地を迂回するので走行距離がかなり長くなります。
こちらの想定道のりは50kmです。
どっちを選ぶかというと……
無難に北上することを選びました。
いえ、正直どっちにするかは現地に着くまで迷っていて、帰りの経路もナビタイムの経路案内を南北両ルート持って行って「ネタとしては阿武隈越えの方が面白い」のではないか、とかも思っていたのですが、現地で回りの山々を見てみると……
無理ですってばそれは!!

角田市役所を起点に11時に出発、まずは国道349号沿いに北上します。
車体も軽く加速もスムーズでいい自転車です。
ギアのアップダウンが左右のレバーで逆(左手のシフトアップの操作が、右手ではシフトダウン)なのでなれるのに少々時間がかかるかもしれませんが、その辺は文字通りなれれば解決するでしょう。
あいにくと最初の信号で引っかかってしまったので、信号が変わったスタート時に一旦シフトダウンするとバキン
いきなりチェーン外れました
いえ、一度に2段シフトダウンしようとした私が悪いんです。チェーンはすぐかけ直せたので、気を取り直して再度走行開始。
しばらく走っていると今度は妙に気分が悪くなってきました。一旦自転車を止めてよく考えた末、自転車屋さんに戻ることにしました。
「すいませ〜ん。ハンドル曲がってます。」
左向きに、ほんの数度でしたがずれていて、まっすぐ走れてないあたりが違和感を感じた原因だったようです。あらためて調整して貰ったところその曲がってるのも直って、走ってみると妙な違和感も解消されてました。微妙ですが、意外と走ってみて検出できるモノですね。



お店に戻ったついでに、ロケットのオブジェの足下まで行って近くで見てきました。H2にせよH2Aにせよ本物はこんな近くでは見れないでしょうから……
さて、もう一度市役所からやり直しです。今回のスタートは11時半。
日射しが強いので、熱中症などで倒れてはしゃれになりません。経過観測と水分補給を兼ねて30分に一回、休憩と写真撮影することにして、いざリスタートです。どこかで洋品店でもあれば、帽子の購入も考えましょう。
12時頃



阿武隈川沿いに合流、東根橋の北側、江尻交差点のあたりです。
ここで川を渡ってしまうと道が阿武隈山地の中を通ることになってしまうらしいので、ここからしばらくは阿武隈川の西岸に沿って走ることにします。川沿いに、サイクリングロードらしきモノがあったのでそちらを走ることにしました。



サイクリングロードには定期的に距離表示があり、数値が減少していくことから推測して、河口までの距離でしょうか?
これらの表示から走行速度を計算してみると1km通過するのに3分弱、平らで走りやすいのとまだ元気なのでなかなかいいスピードで走っているようです。この調子でいけば3時間くらいで着くかもしれないと思っていました。

道が行き止まりにさえなっていたりしなければ。
こちとら、アマゾン川の支流の一番奥まで探検している(自称)熟練冒険者です、阿武隈川ごときでめげては居られません。雄々しく、一旦引き返して車道に戻ります。
戻った車道は、そこそこ車通りが多くて、買ったばかりで不慣れな自転車に乗っているこちらとしては少々心配だったので、またしばらく走ると出現したサイクリングロードに戻ることにしました。
今回も行き止まりになる危険性はありましたが、ほかの自転車がちょっと先を先行していました。
もし行き止まりになってもその自転車が引き返してくるので、まるまる無駄足を踏まなくても済むという算段です。

川の合流地点にぶつかって、ぐるっと90度以上ターンするのが正規のルートでなければ役に立ったんですけどね。
ここに辿り着いた時点でちょうど12時半、スタートしてから1時間でした。
ちなみに、ここのサイクリングコースは次第に川から遠くなるので風が涼しいわけでもなく、木陰もなく日射しが強いので走ってて大変でした。平らで走りやすいのと車が居ない点は楽でしたけど……
1時頃



12時45分頃に槻木大橋を渡って阿武隈川の東側に、渡り終わった瞬間また角田市に入ったのにはちょっと脱力しましたけど……
線路(おそらく常磐線)と交錯、してやっとの事で国道6号へ到達。
はっきり言ってこの時点でかなりへばってました。
つくづく山越えルートを選ばなくて良かった、もし選んでいたら野垂れ死んでいたかもしれない、みたいなことを考えながら走ってました。
とりあえず、国道6号へ出たところで残り距離が判明、写真が悪くて見づらいですが残り33km……遠い……
2時頃


昼食抜きの活動は比較的平気なつもりでしたが、この日は体が切実にエネルギー源を要求。しばらく休んで食事と水分補給をしての2時。
地点は亘理市吉田で東京まで322kmとのこと、後でわかりましたが相馬までの距離は東京までの距離から298引けば良い模様。よって、残りは24km。
いろいろきついですが、なんと言っても一番きついのはお尻が痛い。平地よりも坂道だと足に力を入れる分お尻が浮くので、かえって楽なぐらいでした。
自転車に限らず、ベンチや畳の上でも長いこと座っているとお尻が痛くなるのはお尻の筋肉が弱いせいでしょうか?
2時半頃

相馬まで残り18km、そろそろ相馬にある施設やお店のの立て看板が増えてきて着実に近づいてきている実感があります。
だいたい時速12〜14kmぐらいのペースできてるので、あと1時間半ぐらいの見込み。
相馬まで18kmということは既に30km以上走ってきているわけですが、同時に表示された角田まで15kmという表示に言い様のない理不尽さを感じました。
3時頃


相馬まで11km、同時にやっと福島県へ到達。
この頃になるとへたるのを突き抜けて、自棄になって結構速いペースでこいでました。
ですが、疲れているのと意外とアップダウンがあるので速度はあまり伸びず、30分で7kmで15km/h弱
途中から写真が汚いな〜と思ってましたが、ここでデジカメの設定を変えたら突然綺麗に。どうやったら綺麗に取れるかは、考えておかないとダメですかねぇ。
3時半頃


やっと相馬市に到達。新地町を抜けるのにまるまる30分かかるとは思いませんでした。
相馬市に入るちょっと前、車道から歩道への段差を乗り越えた瞬間、ハンドルが盛大にピッチング。
3次元での回転表現の、ロール・ピッチ・ヨーのピッチングです。
つまり、両手で握ったハンドルがバイクのアクセルのようにぐりっと回ったわけです。
おっちゃん、ハンドルの締め付け甘いです〜
その後は走りながら自然にピッチアップしてくるハンドルを都度ダウンさせながら走ることになりました。
4時頃
4時直前、やっとこさっとこ家までたどり着きました。
休憩入れたとはいえ4時間半で50km走破となるので、時速10km程度しか出てません。だれすぎですね。
最終盤に発生したハンドルのゆるみは、家に帰って六角レンチをはめてみたところ、指一本で回るぐらい緩くなっていました。
センターを出し直してしっかり締めたら事象は解決しました。
まさか、買った初日から自分で整備し直す羽目になるとは思いも寄りませんでした。
