結局のところ、公式発売日が10/1ではなく10/2なので早くても10/1のようですね……

堀井雄二激賞激賞っていう帯に騙された様な気がしますが、本屋に寄って何も買わないのは辛いんです。
鉄球姫エミリーというのは、あの銀盤カレイドスコープを産んだスーパーダッシュ小説新人賞の今年の大賞受賞作です。
名前から見るに、明らかにイロモノです。名前のイロモノ具合としては、超鋼女セーラといい勝負です。
さて一方で、内容の方はと言うとイロモノとの評価は撤回せざるを得ません。タイトルと表紙イラストが買った人に誤解を強いますが、見かけに反して骨太な作品です。そこそろ楽しんで読めました。
主人公のエミリーはキャラ的には傍若無人な暴君タイプです。
似た感じのキャラとして彼の涼宮ハルヒを思い浮かべましたが、ハルヒシリーズは初刊を1回読んだ時点で「見るべき点無し!」と切り捨てたので、ホントにそういうキャラかは知りません。まさか、こんなに流行るとは思いも寄りませんでした。
#まぁ、友人によると偉いのは『京アニ』であって『ハルヒ』ではないと言うことなので今更読む気も見る気もしませんけど……
シチュエーションや設定にはあまり独特なものは感じなかったのですが、登場人物の内面を描いた上ですり潰すというやり方はラノベ業界ではちょっと変わっているように思いました。
名前と台詞のあるキャラの死亡率が半数を超えるというのは、ラノベではあまり見ませんね。
いえ、死亡率が重要なのでは無いのですが……
うまく表現するのは難しいのですが、その人が死んだと言うことが読み手に非常に強く響く作品なのです。
もう一つ難しいのが、この本は誰に勧めて良いものか迷うところです。私は面白く読めましたが絶賛と呼べるほどの出来ではありませんので、誰にでも自信を持って薦めるわけにはいきません。この作品は、受け入れられる人を選ぶ作品です。
ラノベ読みと自称できるほどの人であれば楽しめるとは思いますが……
最後に、この作品の作者八薙玉造さんに関して。
次回作をどうするかということに関しては、「とりあえず買う」と思います。
次回作がエミリーの続きであれば黄信号、別作品であれば期待有りといったところでしょうか?
エミリーは世界的には続きを持てるだけの伏線を残しているものの、エミリーの周囲がほぼリセット(壊滅)されているために物語に今回ほどの厚みは出せないでしょう。
#3巻目ぐらいでルーサーが『実は元重騎士だった』とか言って復帰するのが一番ありがち……
もしも、このエミリーシリーズのまま何かしらの新境地を開拓できれば、今後ブレイクするかもしれません。